早稲田大学地域・地域間研究機構 2024年度ORIS第10回国際シンポジウム
地域間共生の将来ー選挙、孤立主義、移民
昨今、国際政治の領域では、ロシアのウクライナ侵攻にともなうNATO諸国とロシアとの対立の激化、資源や技術の領域でアメリカと覇権を競う中国のロシアへの接近など、大国間の関係悪化が続いている。同時に注目されるのは、西欧民主諸国とアメリカでは、最近の選挙において反グローバリズム/孤立主義と移民が大きな争点となり、これまでの地域間共生の基礎理念であった国際協調主義と移民受け入れに異議が申し立てられていることである。西欧諸国では、6月の欧州議会議員選挙で反グローバリズムと移民排除を主張する極右派勢力が720議席中84議席を獲得して第三勢力になったと報告され、アメリカでは、11月の大統領選挙・連邦議会議員選挙でアメリカ第一主義と移民制限を公約に掲げた共和党勢力が勝利した。
これらの反グローバリズムや自国第一主義はなぜ大きな力をもつに至ったのであろうか。これらの主張は大国間の関係悪化とどのような関係があるのであろうか。これらの主張は地域間共生の政策方針をどの程度にまで変更する可能性があるのであろうか。地域・地域間研究機構では、二部に分けてこのテーマについて検討する。
午前の部は全体会であり、4名の報告者がアメリカ、ヨーロッパ、日本を中心に、選挙、孤立主義、移民をキーワードに世界動向を展望する。午後の部は分科会である。アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分かれて、各地域における反グローバリズム/孤立主義と移民受け入れの動向を詳細に検討する。(ヨーロッパ分科会、アジア分科会は対面のみ)
日時:11月28日(木)9:00~16:00
方式:対面+オンライン(ハイブリッド方式) ※要申し込み
参加費:無料
言語:同時通訳あり
主催:早稲田大学地域・地域間研究機構
詳細:https://www.waseda.jp/inst/oris/news/2024/10/31/6148/
申し込み:https://my.waseda.jp/application/noauth/application-detail-noauth?param=nAGGea3MlGfLtPRW56yavw&subsessionWindowId=
<プログラム>
午前の部
開会挨拶
9:00~9:10 早稲田大学総長 田中愛治
基調報告
9:10~9:40 ラファエル・フェルナンデス・デ・カストロ(カリフォルニア大学サンディエゴ)「TheEnd of Pax Americana:its Global and Regional Impacts」
報告
9:50~10:20 前嶋和弘(上智大学)「大統領選挙後のアメリカと世界」
10:30~11:00 日野愛郎(早稲田大学)「欧州における移民争点と右派新興政党の台頭:欧州選挙研究(EES)による検証」
11:10~11:40 遠藤十亜希(城西国際大学)「世界の中の日本の入管政策」
総合司会:内田州(早稲田大学)/進行:吉野孝(早稲田大学)
午後の部 ※ハイブリッド形式で行われるのはアメリカ分科会のみ
13:30~15:30
報告者
ラファエル・フェルナンデス・デ・カストロ(カリフォルニア大学サンディエゴ)「The Impact of U.S. Elections on the World and Mexico」
高橋百合子(早稲田大学)「Transnational Politics in the Era of Global Migration: The Case ofMexico」
渡辺暁(東京科学大学)「米国とメキシコの国境を越える移民の市民社会と両国の政治」
司会:吉野孝