スペイン語の正書法(書く上でのルール)はスペイン語学士院協会(Asociación de Academias de la Lengua Española)で検討され、王立スペイン学士院(Real Academia Española)によって刊行されています。
2010年に出版された正書法は書籍にして850ページ以上あり、非常に細かいことまで決められていますが、ここでは初級学習上、特に必要と思われるものに限って紹介します。
- わかち書きを行う(語と語の間にスペースを置く)。los_caracteres_chinos (漢字)Soy_de_Japón.(わたしは日本出身です)
- 文頭の一文字は大文字で書く。Los caracteres chinos son ideogramas.(漢字は表意文字です) Tengo 25 años.(わたしは25歳です)
- 固有名詞の最初の一文字は大文字で書く。複数の語からなる場合は、各語の最初の一文字を大文字で書く。José(ホセ[男性の名前])Real Academia Española(王立スペイン学士院)
- 書名や映画の最初の一文字は大文字で書く。Cien años de soledad『百年の孤独』 El espíritu de la colmena『ミツバチのささやき』(英語タイトル The Spirit of the Beehive)Diarios de motocicleta『モーターサイクル・ダイアリーズ』(英語タイトル The Motorcycle Diaries)
- 曜日や月、季節の名前の最初の一文字は小文字で書く(文頭なら大文字)。lunes(月曜日)diciembre(12月)primavera(春)
- 固有名詞から派生した形容詞やその名詞形は、最初の一文字を小文字で書く(文頭なら大文字)。español(スペインの、スペイン人、スペイン語)japonés(日本の、日本人、日本語)
- 平叙文の終わりにはピリオド(punto)を置く。また、次の文を続ける場合は、ピリオドの後にスペースを置く。Debemos escribir claramente._Si no escribimos claramente...(私たちははっきりと書くべきです。もしはっきりと書かなければ...) Tengo hambre.(私は空腹です)
- 文中の意味のまとまりを区切るためにコンマ(coma)を置く。またコンマの後にはスペースを置く。Sí,_estoy bien.(はい、私は元気です)
- 疑問文の始まり(多くは文の先頭)には逆向きの疑問符(¿)、終わりには通常の疑問符(?)を置く。¿Estos dibujos son unas letras mayas, ¿verdad?(これらの絵はマヤ文字なんですよね?) ¿Dónde vives?(あなたはどこに住んでいますか)
- 感嘆文の始まりには逆向きの感嘆符(¡)、終わりには通常の感嘆符(!)を置く。¡Qué difícil la escritura japonesa! (日本語の表記はなんと難しい!) ¡Qué grande!(なんて大きいんだ)
1. などは当たり前であらためて言うまでもないかもしれませんが、例えば、英語の文章をコンピュータ上で書いた経験がない人の中には、8.の例文のような場合に、コンマの後に空白を置かず、"Sí,estoy"と一語のように書いてしまう場合があります。オンラインでのテストでは当然間違いと判定されます。また、5.と6.は英語とは異なるルールです。気をつけましょう。